微分の無料講座 第11回

今回は高校数学の「微分」に関して講義をしましょう。
微分って何ですか? という質問がきたらあなたはどう答えますか。
もし下記のように答えてしまっていたとしたら要注意です。

たとえば、「y=xの2乗」を微分すると y=2x になります。
これが微分です。
もうすこし詳しく言うと 「y=xの2乗」を「xで微分する」と y=2x になります。
これが微分です。 と言われても「だから何なの?」って言われそうですね。

もう少しましな説明を・・・・
微分というのは、 平均変化率の極限値で・・・ これもなんですねえ。

微分というのは、 平均変化率の極限値であり、つまり傾きを表していて・・・
さらにもっとましな説明を・・・・
微分とは、微細なものに分けること・・・・
さてあなたはこれらの説明で納得できましたか?

これらの答えのどれをとっても
その場しのぎの説明にしかなっていません。

つまり応用が利くような理解がされていません。
その理由は、 「微分」という意味そのものの本質を語っていないからです。
もし「微分」という意味そのものの本質を語るのなら

平均変化率、
接線の傾き、
一次近似の意味、

dy/dxの意味、
極大値、
極小値の意味、

積の微分の公式、
合成関数の微分の公式、
陰関数の微分の公式、

そして 特殊関数の微分の公式、
微分方程式の意味、
これらすべてが納得がいく本当の意味での理解できるようになるのです。
微分が苦手な人や、 微分の意味があいまいな人は、
ある程度、問題数をこなすことで、多少の応用力はつくでしょう。

しかし、パターンが決まっている応用問題しか解けないのです。

パターンが決まっている応用問題しか解けないのは、発展性がありません。
これでは、飛躍的に、爆発的に応用力はつきません。

どういうことかというと、

未知の問題に対する解決力がつかないのです。

最近の入試問題は、 パターンが見破られないような未知の問題が出題されています。

どのような問題でもその問題と同じ次元で考えていては、
問題を根本的に解決することはできないのです。
言い換えると未知の応用問題を解決するために必要な理解を持ち合わせていないからです。

【つまり、自分の理解の深さが、応用問題を解くレベルに達していないからです】
ここを暗記で乗り越えてもすぐに限界がきてしまいます。
暗記したから理解したとものと錯覚を起こすのはとても危険なことです。
仮に最初に述べた上記のような「微分」の説明を100回聞いたとしても
それはまったく意味がないことなのです。

不確実なことを100回繰り返すより
確実なことを1回学習したほうが実力はつきます。
確実なことを1回学習するとはどういうことなのでしょうか?

今の場合「微分」をテーマにしているので
このことについて少しだけ触れましょう。
「微分」の定義というものがあります。

「微分」の定義とは、下記のとおりです。
【定義1 x=aで微分可能の定義】 実数のある区間Iで定義された関数f(x)が x=a (a∈I) (注: aが区間Iに含まれているとき) で 微分可能とは、 lim (f(x)-f(a))/(x-a) ・・ ・(1) なる極限が存在することで、 x→a このとき、(1)の極限値をx=aでのf(x)の微分係数といい f'(a) (エフプライムaと読む)で表す。】
【定義2 区間Iで微分可能の定義】 区間Iで定義された関数f(x)が、任意のa∈Iに対し、 x=aで微分可能であるとき、f(x)を区間Iで微分可能、 あるいは単にf(x)は微分可能 という。 このときa∈Iに対してf'(a)を対応させる関数を f(x)の導関数といい、f'(x)で表す。 】
これら2つの定義は「無限小解析」という学問が前提となっています。
さらに「連続ということ」の理解が必要です。

またε(イプシロン)-δ(デルタ)法を使った極限値の理解ができて
はじめて微分の偉大さがわかるのです。

「微分」は、これらの学問の基礎の上に成り立っています。

さらに「微分」は、
のちに「差分法」と呼ばれる数値解析にまで応用され、
人類が、これまで解くことが不可能とされていた難問題が
この微分および差分法のおかげで、
ことごとく解決できるようになったのです。

私が説明する本質DVD授業は、
これらのことにも触れながら
なおかつ、微分とは何か? という答えに本質から答えています。

本質はきわめてシンプルです。
しかし、そのシンプルさを証明するのには、 偉大な英知が必要なのです。 すべてはこの本質から始まり、
公式なども本質から導かれていくものなのです。

これを体験できたとき、問題が解けるようになっきます。
その結果、勉強は面白くなるのです。
いわゆる転機が訪れるのです。
合格というのはあなたの大きな目標かもしれません。

しかし、勉強が面白くなれば、合格は単なる通り道でしかなくなります。
もっと知りたい、もっと勉強してみたい、もっと極めたい。
そうした意欲、やる気が出てきます。

こうなると勉強時間も忘れ、中身の濃い勉強となります。
実力がつかないわけがありません。
本質さえ知ってしまえば、そして理解すれば、
誰でも微分が得意になれます。

微分の問題を解いていることの意味が
本質とつながって一貫性を持っているので よくわかるようになります。

同じ問題を解いていても明かにその理解の深さが違うことで
今までの自分と比較することも可能でしょう。
そして、そのとき下記のことが初めてわかるかもしれません。

問題なのは、「何を学ぶ」ということではなく、
「誰から、または何から本物を教わるか」ということなのです。

そして、ここから尋常ではない、
高次元の実力がつき始めるのです。

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