予備校で数学を教える立場になると、とてつもない苦労を強いられたのです。
しかし、大学を卒業して、
予備校で数学を教える立場になると、とてつもない苦労を強いられたのです。
公式を説明して(証明はしない)、問題を解いて、
ポイントとかテクニックとかを駆使して問題を解説するだけです。
私としては、これではなんだか物足りません。
何が足りないのだろう?
この問題を解くことで、本当に受験生の実力がつくのだろうか?
次第に疑問を持ち始めました。
大学を卒業すれば、
受験生ではなくなるので、もう一度、数学をゼロから見つめなおしてみようと考えました。
問題数は、浪人時代のとき、たくさん解いていたので、 公式の証明から勉強していくことにしました。
数学の公式の証明をするって自分で決めたけれど、受験生にとって本当に必要なことなのかなあ?
正弦定理や余弦定理の公式、
加法定理の公式、
点と直線の距離の公式、
対数の公式、
微分の公式、
数列の和の公式、
確率の和の公式、
確率の積の公式、
グラフの移動の公式、
2項定理の公式、
円における接線の公式、
剰余定理・因数定理の公式などを証明していきました。
中には、結構難しい証明もありましたが・・・
このとき私の頭の中で、何かが変わっていきました。
公式の証明というのは、ゼロから始めていくので、相当、頭を使うのです。
さらに、公式を証明している過程で、 なんと、応用問題に使える発想力が含まれていたのです。
これには、新鮮な驚きがありました。ゼロから積み上げていくような数学の公式を数々と証明していくことが、 数学の実力をつけるための最低条件ではないのかと 思い始めたのです。
まさに、根本から勉強していく形なのです。
自分自身が納得して公式を使えるという体験をしたので、これはいいと思ったのです。