飛躍的に酸化還元ができるようになった例を挙げましょう
飛躍的に酸化還元ができるようになった例を挙げましょう
受験勉強は入試までの「時間」との戦いでもあります。
入試まであと何ヶ月ありますか?
本物の理解、つまり本質の理解を手に入れることは必要ですが、
時間がかかりすぎるのでは意味がありません。
ここで私の生徒が体験したおもしろいことをお話しましょう。
その生徒を仮にA子さんとします。
彼女は化学が大の苦手でした。
あるとき、酸化還元の勉強を始めました。
おもしろいことに、A子さんには、私と、もう1人の先生が教えました。
この先生はセンター入試で90点を取った優秀な先生でした。
私の受験時代には、センター入試というものはなかった・・・(泣)
Aさんは、最初に この先生つまり、センター入試で90点を取った先生に
酸化還元を習いました。
その教え方は、例のものでした。
それは、酸化数を 水素を+1、酸素を?2 とする教え方でした。
すると A子さんは、わあ、酸化還元って簡単! と言いました。
でも私は、次にやってくる真実を知っていました。
酸化数を 水素を+1、酸素を?2 とする教え方は簡単だが それでは、問題演習を進めていくうちに、すぐ行き詰まることを・・・これで酸化還元を理解したと判断するのは間違っています。
これは単なる手続き記憶だからです。
つまり、解法の手順を知っただけで、 実のところ何も理解できていない教え方だからです。
案の定、 A子さんは、30分もしないうちに 酸化還元の問題で行き詰まってきてしまいました。
そうです。
マンガンの酸化数が、液性によって変化することに つまづいてしまったのです。
そして、私のところに質問に来ました。
その先生がいない場所で、 30分以上かけて、酸化数の決め方、 酸化還元というのは、電子のやり取りを考えた 化学反応であることを本質から教えました。
そして、一言、A子さんがいいました。
前の先生と教え方が違う! と。
これが正直な感想かもしれません。
この教え方が、A子さんにどのような影響を及ぼしたのか・・・ この時点では、 A子さんにはピンとこなかったかもしれません。
しかし、問題集をドンドン解いているうちに
私の方に質問に来るようになりました。
本質は、時代を問わず、通用する
もはや、前のセンター入試で90点を取った先生の教え方では 通用しないと A子さんが自分で判断をくだしました。やがて、高度な問題にまで対応できる実力がA子さんにつき始めました。
A子さんが1週間たって、私に声をかけました。
「先生、私、クラスの友達に酸化還元、教えちゃった・・・」
おー、そうか、うまく説明できたかい。と私が聞いたら、つっかえたけど、みんな納得してくれた。という返事が かえってきました。
人に教えるっていうのは、 自分が深く理解していないと教えられないんだよ。
A子さんも友達に教える事で、理解がますます深まったと言っていました。
これをお読みになっているあなたは、上記のような事例から どのような教訓が得られましたか。
私がここで言いたかったのは、ただひとつです。
あなたが本当に実力をつけたかったら、 真理や真実を理解している人に聞け、ということです。
先生によって教え方の差があるのは当然です。
しかし、教え方の差が生じる原因の大半は、 教師自身の理解の深さが 真理や真実をきわめているかいないか ということにあるのです。
わからないことは、専門家に聞け
勉強で行き詰まった時には、何を知っているかよりも、誰を知っているかのほうが常に有利です。
わからないことがあったら、自分で考えるより、 専門家に聞いたほうがよい。
自分がわからないことを質問するとき、 理解のあいまいな人に何回質問しても 納得できない答えが返ってくるのです。
そのわからないことについては、
あなたの知っている範囲で、 一体、誰が
この問題について、専門的に理解しているか、
これを判断してから、
その人に聞くと良いですよ。
それに自分で考えているよりも 実力アップの時期がグーンと早くなるはずです。
A子さんは、本来、ふつうの人が1か月かかるところを 2週間でマスターしてしまったのです。
習得期間を2分の1までに縮めたことで、 更なるステップへと進行中です。
私がここで言いたかったのは、 学習でわからない所を自力で考えるのはとても良いことです。
しかし、時間をかけすぎても入試日は待ってくれないのです。
また、 学習でわからない所がわかるようになったとしても フトンのホコリのように さらにまたわからない所が出てくるのです。わからない所をいかにスピーディに理解して本物を手に入れるか、 それから、また自分で考えることが大切なのです。
受験生ならば、勉強する目的は、「希望校の合格」です。
でも、合格するためだけの勉強なんて、 考え方の器(うつわ)が小さすぎます。
どうせ「希望校に合格」するのなら、一生役に立つ 本物を理解して、楽しく勉強したほうが、充実感があるでしょう。
本物の勉強をしよう
勉強にも、本物とニセモノがある。ニセモノは、いざというとき、役に立たない。
しかし、本物は、時代を越えても、役に立つのです。
ニセモノを勉強していても決して実力はつきません。
理由は、納得できない部分が多く、 その結果、理解していないことが多いからです。
脳のしくみは、理解したことだけが頭に残るようにできているのです。
大学受験に落ちた人に共通しているものがあります。
それは、物事の理解があいまいで、 自分の言葉で語ることが出来ないのです。
本物を勉強している受験生は、毎日が 新しい発見に満ちて、 受験勉強を活き活きとしている。
自分なりの理解を確立しているのです。
こうなると、合格間違いなしですね。
がんばろう。
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